大村ひであき活動レポート(2010年8月23日号)
2010/8/23 - AM9:44【衆議院欧州社会保障調査議員団でヨーロッパを訪問 その2】
○8月19日(木)午前はドイツ手工業中央連合会を訪問。ドイツのマイスター制度について意見交換。100万の事業所と500万人の就業者。ドイツ経済に大きな役割。大村から、資本主義の社会では中小企業がシェアを維持するのは難しいのではないか?と質問したところ、ドイツでは中小企業が強く安定している。これは変わらない。との答え。日本との国情の違いを思い知らされました。
その後、12時にドイツ労働社会省を訪問。大村から、リーマン後への対応、ギリシャ危機・ユーロ危機への対応と雇用対策をお聞きしました。
午後はパン職人のマイスター制度と事業所の視察。ドイツに根づいている職人気質を大いに感じました。
○8月20日。午前ベルリンからパリへ。午後、末期がん患者を中心とした終末期医療の緩和ケアを専門とする病院を視察。1874年に開設。81床。平均入院日数12日。フランスでは2005年の法律で患者の希望と選択で不適切な延命治療を拒否することができることとなった。生活の質を確保しながら痛みを緩和する緩和ケア・ホスピスの整備と確保が必要とのコメント。
大村から、安楽死について質問したところ、フランスでは安楽死は禁止されている。求める人は多いが、鎮痛剤で痛みをとればほとんどの人がそれ以上言わない。病院では患者は臓器として捉えられているが、ここでは全人格を尊重して人間として扱われる。苦しまないためのケアと一人にならないための付き添いが必要。日本でも人間の尊厳と緩和ケアの議論をさらに行い、その整備を進めていく必要性を感じました。
○次にアール・ブリュット ジャポネ展を視察。日本の知的障害の方60人の作品300点を展示。これは滋賀県社会福祉事業団が近江八幡市に持つ障害者のアートミュージアムから持ってきたもの。実はこの作品展は今年の2月に大津で開かれており、大村もシンポジウムの傍らで拝見。その展示をパリで実際に見ることができて感激しました。滋賀県事業団の北岡理事長が中心になって取り組んできており、大村も大変親しいのでよく報告したいと思います。
○アール・ブリュット(ART BRUT)とは精神障害など美術の専門教育を受けていない人による「加工されていない、生の芸術」を意味するもの。欧米と異なり、日本では十分な評価が行われてこなかったこともあり、これを機会に日本での評価の確立がされればと思います。